« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月16日 (金)

『アデル、ブルーは熱い色』

その映画は女性同士の激しい官能シーンがある。

それだけが観るモチベーションだった。

ただ、上映時間が3時間と聞いて、

そのシーンを観るためだけに、

わざわざ劇場に行くべきか、

この1ヶ月ずっと悩んできた。

火曜、水曜、そして木曜と3日続けてやった

『怒り新党』の「新3大」のVチェックは、

1本4分台を目指して刈り込む。

5分越えれば、人間の生理として長く感じる。

なのに、3時間って。

この日、

夕方の会議がなくなり、

ぽっかり時間が空いてしまったので、

睡眠不足という不安要素はあったものの、

覚悟を決めて観にいった。

『アデル、ブルーは熱い色』。

ポスターとタイトルの印象から

『アメリ』『ベティブルー』

のようなオシャレ映画かと思っていたら、

全く逆の地に足の着いた映画だった。

リアルな芝居に、

ぶん回しのカメラという俺の好きな撮り方。

はじめ女子高生の映画かと思っていたら、

10年位(?)のふたりの女性の人生をしっかりと描き、

本当に撮影にそれだけの時間をかけたかのように、

ふたりの女優の顔が老けていっていた。

女性同士の激しい恋愛モノという風に捉えがちだが、

別に劇的な何かがふたりを待っている訳ではない。

微妙なズレと不安が繊細に描かれていく。

芸術家肌の家庭に育った画家のエマと、

堅実な家庭に育った教師のアデル。

エマがアデルをちょっと下にみていて、

物書きになる事をすすめる。

アデルはエマの派手な交友関係に

ちょっと引け目を感じているのか、

仲間内のパーティーでは居心地が悪い。

そこに現れるエマの昔の恋人らしい画家。

彼女のお腹の中には子供がいる。

彼女はアデルにはないものを持っている。

女性同士の関係だから余計せつない。

特にアデルとエマが再会する場面は圧巻だった。

ふたりの人生を考えたら、

3時間は長くない。

Unknown


2014年5月11日 (日)

後継者

この日放送の『イッテQ』を最後に、

大島さんが妊活でしばらくお休みする事に。

そのオープニングトークで、

出川さんがちょっと感動的な事を言っていた。

出川さんと上島さんが飲んだ時に、

自分たちの後継者は大島だと話していたという。

僕ごときがテレビのリアクション史を語るのは

おこがましいのだが、

『お笑いウルトラ』の頃は、

体を張るのは男の芸人の仕事だった。

女の人がやると、

どうしても悲惨に見えたり、

痛々しく映ったりして

素直に笑いづらいと思われていた。

ところが『イッテQ』では、

女芸人がどんどん体を張る。

そのリアクションが突き抜けているので、

それが女性である事すらも忘れてしまう。

泣いて笑って鼻水を垂らす

愉快なキャラクターをみているようだ。

これは大島さんの功績だと思う。

もし今、『お笑いウルトラ』があったら、

初の女性優勝者となっていただろう。

だから、出川さんのあのコメントって、

意外と重みのあるコメントなんだよな。

2014年5月 4日 (日)

『ヒット番組に必要なことはすべて映画に学んだ』(著・吉川圭三)

以前から、このブログで、

日本テレビの吉川さんについて書いておきたい

と思っていたのだが、

なかなかきっかけがないと

唐突に書くのは照れ臭いのでと控えていたのだが、

いい機会がやってきた。

どうやら本を出すらしい(6月1日発売)

確か5、6年程前、

作家仲間で飲んでいた時に、

今の日テレのベースになっているのは吉川さんだよな

という話をした事がある。

日テレだけじゃないかもしれない。

吉川さんがこれまでに作った番組。

『笑ってコラえて』の“ダーツの旅”のシステム。

海外フッテージ番組の走り『世界まるみえ』

今やそれがスタンダードとなっている

『さんま御殿』のひな壇トーク。

科学情報をエンターテイメントとしてみせた

『特命リサーチ』。

更には、あまり知られていないが

100万ドルの選択!THE BET』は、

初期の『DASH』の原型だし、

これって『世界超偉人伝説』だよなと思う番組は

今でもちょいちょい見かける。

作家の大岩さんというパートナーを得た事も大きいと思う。

ただ吉川さん自身は

あんまり前に出ていくタイプの人ではないので、

残念ながらその本当の功績を知らない人も多い。

で、

吉川さんが当時なんで色んな番組スタイルを

次々と確立できたかと言うと、

この人はテレビを見て、

テレビを作る人ではなかったからだと思う。

今はテレビを見てテレビを作る事が

あたかも常識ですよって事になっているのだが、

吉川さんの時代、

(テリー)伊藤さんや土屋さんなどもそうだが、

発想の出所が人の番組ってのが恥ずかしい事だ

と思われていた。

吉川さんの場合、

それがこの著書にあるように映画や本だったと思う。

『ヒット番組に必要なことはすべて映画に学んだ』。

読むとわかるがとんでもない引き出しの多さだ。

テレビを作るために、映画をとことん勉強する。

一見遠回りのようだが、

見る人を楽しませるという根っこは実は同じ、

ど真ん中をいく近道の手引書だと思う。

今、放送業界に興味を持っている人の為に、

吉川さん、これを教科書に

どこかの大学で一年間講義をやったらいいんじゃないかな。

そのぐらいのボリュームだけど。

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »