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2013年12月

2013年12月24日 (火)

自転車

初めて補助輪のないその自転車を買ってあげたのは、

小学1年生の時の誕生日。

10段変則のブルーの自転車。

当時はまだ直線にしか漕げず、

俺が倒れないように後ろについて走った。

俺が教える事もなく、

ある時から乗りこなせるようになり、

俺も折りたたみ式自転車を買い、

近所の緑道、

更に車に積んで、

荒川のサイクリングロードまでサイクリングに行った。

やがて中学生になり、

駅まで自転車で行くようになった頃には、

体と自転車のバランスが明らかに逆転していた。

走る度にギッコギッコときしむようになり、

ブレーキもきかなくなった。

無理矢理停めると

自転車ごとひっくり返りそうになる。

すでに限界。

新しい自転車を買う話になったのだが、

その直前に母親の機嫌を損ねる出来事があり

(しょうもない理由。

 でも、諍いの理由に

 しょうもなくない理由なんかあるだろうか)

その話はお流れとなった。

そのうちに

「こんな自転車、もう嫌だ」と

地面に叩き付ける姿を何度か目撃した。

得意げに漕いでいた昔をよく覚えているだけに、

胸が痛んだ。

クリスマスのこの日、

サンタから新しい自転車が届いた。

前から欲しがってたBianchi

足がギリギリで届くよう、

サドルを目一杯下げて、前にずらした。

体と自転車のバランスが再び逆転した。

「今までの自転車、どうする?

 置く場所もないから、

 粗大ゴミに出そうかと思うんだけど」

子供にそう聞くと、

「写真を撮るまで出さないで」

と自転車カバーをかけた。

ハンドルについていたライトは

自分の部屋に保管した。

あれから写真は撮っていない。

処分する気などさらさらないのだろう。

おかげで俺の車の駐車スペースが極端に狭くなり、

細心の注意を払って

バックしなきゃいけなくなってしまったが、

ギッコギッコときしむ音が記憶にあるうちは、

しばらくここに置いておこう。

2013年12月14日 (土)

『ゼロ・グラビティ』

2ヶ月ほど前から、

作家の町山ちゃんに薦められていた映画
『ゼロ・グラビティ』を観る。
観る時は絶対、IMAXの3D
と言われていたのだが、
なるほど、確かにこれは
D映画のために作られたような映画だ。
観るというよりも体験するという感覚。
スペースシャトルの船外活動中に事故に見舞われ、
宇宙に放り出されてしまったふたりが
どうやって生き伸び、
地球に帰還するかというお話。
20年ほど前、
日テレの『特命リサーチ200X』をやってた時に、
人工衛星の破片
(スペース・デブリ。
 その頃は宇宙ゴミと言ってたような)
がいかに危険かというネタがあった
と記憶してるのだが、
その頃はそんなアホな、
宇宙は広いんだから大丈夫だよ
と内心思っていたのだが、
こういう事だったのか、
確かにこりゃ危険だわと今になって納得。
映画は90分間、
カメラワークというものが存在しないかのように
立体的で常に無重力に浮いてるような感じ、
おまけに常に酸欠で息苦しい。
主人公が常に死にさらされ、
のたうち回っているのとは対照的に、
宇宙は常に静かで、
地球はいつでも美しい。
何で人間は
こんなものを作ってしまったんだろうとさえ思う。
どこかに公平な神の視線を感じる。
この映画を観る前に、
今年のベスト1は何だったろうとふりかえった時に、
『ライフ・オブ・パイ』かなと思ってたら、
この映画、似てるな。
海の漂流と宇宙の漂流。
いつも地球は美しい。
神の視点。
2位だな、これ。

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